甲子園の道          

選抜高校野球甲子園の熱闘あるいは熱き想いの記録

06年3月27日(月)

お昼のチャイムが鳴ると同時に
それでは本日は半日有休で午後から帰ります
近くの100円ショップで紙コップを仕入れ、酒屋で紙パック酒を探すも置いてない
梅田の阪神百貨店を覗くと本日は
名物イカ焼きに行列が短い、
列に並び遠来の応援団に備えてたくさん仕入れる
ここは20枚でも50枚でもけろっとして包んでくれる

甲子園には急行が先着します
普段通勤に利用している阪神電車も本日は気分が違う
座っていると少し年配の女性が数人にぎやかに乗り込んで隣に座る
聞くともなく
勝手に聞こえてくるのだけれど
どうも先輩らしい
駅について降りるときに名のる

駅前のダイエーに寄って酒を仕込む
道路を渡ってキョロとすると見まごうことなく手を振ってくれる
旧交を温めつつ他に誰か来ていないかチェックする
今治の友人が作ってくれたTシャツを着込む
持参のプラカードを持って周辺を一周する
ちょうど応援のブラスバンドを乗せたバスが到着し
在校生が降りてくるのでエールを送る

  この調子で書いていると試合開始まで随分かかる

球場に向う
入場行進に使ったプラカードで記念写真を撮ってもらう
手にしているのが
我々同級生の目印のプラカード


前の試合が続いているので一塁側アルプススタンドに入場待ちをする
今治から応援バスできた人が続々と集まって来る
4列並びがどんどんあふれて膨らんでいく
目印のプラカードを見て数人が集まって来る
放送局(愛媛朝日放送?)が取材に来る
うれしがって盛り上がったけどDVDになる前にカットかも
読売新聞の記者が来て特注Tシャツの話題でこれまた熱が入る
聞き足りずスタンドへ訪ねるとのこと

同点で延長かと思っているとゲームセットでやっと入場ができる
この頃には入場待ちの行列が幾重にもなり通行もままならぬ状態

さてアルプススタンド
どこに座ってもいいが
ついつい大きく場所を確保したがるのは貧乏性のせいか
とは言いつつ
知り合いに声をかけて、だんだん席が固まってくる
   
おーい応援グッズはどうなっとんじや
わしらに帽子を早よもってこんか
どがになっとんかいの
団体の言葉使いがいつしか今治弁に近づいていく

グランドでは選手が練習を終え
試合開始が近づいている
スタンドはまだお構いなしに
旧交を温めたり、グッズを探したり、早くも酒の封が切られたり、
イカ焼きが廻されている

応援団も位置につき
ブラスバンドも調子を合わせている

  いつまでたっても進まないので
  試合開始のサイレンを鳴らします

1回表、気がつけばいつの間にか延岡学園の走者がいる
応援に専念のかいあり無得点
互いに走者を出しては点が取れない回が進む
酒が廻される、余裕である
回裏
今治北の攻撃もあっさりとツーアウト、
ここで四球に二塁打であっさり先制、スタンドが湧き上がる

続く4番山本の一打はレフトへ伸びて、のびて、もう少しのびてスタンド入り
2点ホームラン
あれぇー、エーんかいな、どうや、やるねや
スタンドは総立ち
文字どうりスタンドアップ
更に多勢が渋くレフト前に落として1点追加
 

楽勝とばかり酒パックが廻る、焼ソバが廻ってくる
ビールが開けられる
    
入場前に取材を受けた
読売新聞の記者が訪ねてくる
余裕の応援風景と目論んだがこの後、奈落の底に突き落とされる

5回表
延岡の攻撃
先頭打者が小柄で、ピッチャー西原制球決まらずファボール
連打やバントやエラーが出たり
わけがわからんうちに走者が出てはホームへ還って行く
スタンドが静まる
ピッチャーが孤立している
「ピッチャーのところへ行ってやれ、タイムを取れ」メガホンでおらぶ(大声で叫ぶ)
内野手も、監督も浮き足立ったか、キャッチャーも間をとることを忘れ
孤立の西原は投げ急ぎ一人相撲を取る
三塁側アルプスが歓声を上げる
長いイニングが終ってスコアボードに9点がつく

気をとり直すが6回裏早くもツーアウト
だがここからねばる
ランナー一、二塁で桧垣がスリーラン
ここで息を吹き返したスタンドはワッショイワッショイの大声援
走者が出る、本日調子のいい赤宗がヒット、多勢がツーベースで6点目
逆転、逆転、大逆転
総立ちの応援席
メガホンが振られる、ワッショイワッショイのテンポが上がる
猛攻にたまらず相手投手が交代するもボークで1点追加

   

7回 皆さん立ち上がって応援してください、応援歌を合唱する

1点追加でなおも一死満塁
もうこの辺りでは余裕で酒がうまい

 『いまやかの三つのベースに人満ちてそぞろに胸のうちさわぐかな』 子規
多勢が応援席に向けてフライを打つ
三塁ランナータッチアップする

WBC、先日の甲子園でもタッチアップでアウトになったので
「あせるなーっ」と叫ぶ
ゆうゆう1点追加でスタンドは興奮
が、審判が何かやっている
遠いスタンドでは事情がようわからん
結局追加点ならずスリーアウトチェンジ
「アンパイヤ、しっかり見んとアメリカへ売り飛ばすぞ」と言う声が聞こえる
(いや、私がどなったですが、応援優秀賞をもらった応援団としては不適切な
表現でした)
どうも本塁ベースを踏み忘れたみたい
何ぶん田舎の子が甲子園へ来たもんで舞い上がとんじゃが

8回、最終回としっかりおさえて勝利の瞬間
隣と抱き合う、肩を叩きあう、握手をする万歳をする
わけもなく大声が上がる
  

校旗の掲揚
スコアボードに校歌が映し出される
 

おもわずぐっと来る
「げに逝く水や 浅川の岸の若草丈伸びて
校庭今や飛花多し 春よ盛りはいく時ぞ」


選手が応援団に挨拶に来る
よくやったぁ
  
スタンド立ち去りがたく
想えば昔 運動会が終わり片付けた後何となくうろうろしていたように
別れがたくも
応援バス組は駐車場へと急ぐ
2回戦の再開を約しつつ
 
バスといえば
50台とも60台とも言われる応援バスが今治を出たそうだが
そんなに観光バスがいたものだろうか
列をなし高速を走ってくるのを見たかった

この後
甲子園駅前の居酒屋で
東京・大阪・今治組が応援反省会に突入
  
30数年をワープして夢持つ高校生に帰った若者がしゃべる
07年問題の当事者である団塊の世代が熱く思いを語る
競争に明け暮れた戦士達が羽をたたむ時が近づいていることを悟る

今日の後輩たちの活躍を称える
時のたつのを忘れて酒を酌み交わしているうちに
東京へ向う新幹線の時間が迫り
ついに
再開を約束して熱き甲子園を後にする

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