うどん独楽吟
讃岐以外の粉の産地を訪ねて

たのしみは 関東平野に 麦熟れて 粉に挽きし後 麺に変われリ


   

岡村屋 埼玉県 加須市

2月29日日曜日、閏の日、本日は付録の日とばかり
出張に引っ掛けて加須のうどんを探査する。

上野から東北本線宇都宮行き各駅停車に乗り、久喜駅で東武電車伊勢崎線に乗り換え、車窓からぼんやり武蔵野のおもかげ楽しみながら加須まで約一時間半

 (何のさしさわりも無く迷うことも無く到着  わざわざ強調するところが?)
冬枯れの田には麦の緑も見られる。
駅前には加須うどんマップの看板があってそれ相応の力の入具合

  
とりあえず不動尊にお参りとタクシーに乗る。
運転手さんが、「関東三不動のひとつで特に節分には大勢の人で賑わう、
うどんは○○がいいが本日は休み」
「昔小作農は米は年貢にとられ、二毛作の麦を自家消費していた名残り」とかいろいろ教えてくれているうちに到着
成程という立派なお寺で、節分に来た関取の年男札がかかっている
                     荒勢、高見盛の名も
    

 門前にあるのがこの店で
入り口横に麺打ち場があり、手打ち手切りの様子が見られる
注文は「ざる」 ざるうどんかと念を押される。
平たい麺は手切りそのものの不揃いのもの。
たっぷりの刻みのりを飾りに量感豊かに盛られている。
つけだしは少し甘目はみりんの味か

 麺は時間がら茹で置ではあったがそれでも薄いわりにこしがある。
店内には2時前とはいえ観光、お参り、それに地元の人が途切れることなく入ってくる。
中にはそばを頼む人もいる
従ってざるうどんに湯桶が付いてきているがしょっぱく無いのでどうも蕎麦湯らしい
帰り際に尋ねるとそばとうどんは別釜で茹でているそうだ

 なまずのてんぷらというメニュが貼られていた
他のお客さんが頼んでいた天ぷら系も美味しそうでした。


たのしみは 三代続く 味なれば 後継なきも 一人守ゆく


  

赤城屋 埼玉県加須市

岡村屋を出て町内を歩く
戦災に会わなかったとみえて町並はしもたや風の建物が多く、
散文的な古さを感じさせ、道路はナチュラルにくねっている。

登治うどん、つるや、小松屋、吉野屋、新井屋、棒屋、時刻が3時前に近いのでどの店も
のれんが半掛けだったり、しまわれていたり、準備中の札に拒絶される。
半泣き状態

赤城屋のガラス戸を開けかけると大将が出てきて店仕舞いというのを、勝手にズイズイ入る。おやじはのれんを外して取り込む。
雑然と新聞や雑誌がちらかり、奥は居間らしくてコタツで子供が騒いでいる。
思わずさよならといいかけたが、
何しろ一軒食べただけで、加須うどんはと語るには材料不足と思って腹をくくる。

意外
ざるうどんを頼み待つこと、待つこと タイマーの音がして水洗いの様子が聞こえる
先ほどと同じく薄い平打ち麺にたっぷりのきざみのり
麺は これはというほどのこしの強さ、ピラピラとした食感としっかりした噛みごたえ
だしをつけずにつるつる食べる

量もたっぷり食べ応えあり、だしは少し甘め
その後 店の人と四方山話
三代70年続くけど子は継がぬとか、
捏ねて足で踏んで寝かしては讃岐と同じ

   
  拒絶された店の数々 いつの日かお訪ねします

もう一つの発見、町を歩いていてたくさんの和菓子屋や、だんご屋をみかけた。
この後行った川越は「小江戸」を売りに町並も楽しく、
名物の芋を加工したお菓子類も楽しいが、
この加須市もじっくり歩けばもっと発見がある町かも知れない。


たのしみは 列車にゆられ熟成し 都民さわがす伝統の味

上野 めりけんや 東京都  上野駅構内

 

埼玉へ出張の帰り、乗換え時に思い出して寄り道
駅構内のホームの下で明るく営業中
新幹線の中でビールを旨く飲むには空腹状態を保つ必要があるので
かけ小にちくわ天
うどんは3回掬い上げたらおしまい、さすが東京は気取っている。

この後新しくなった丸ビルを見物
「しばてん」なるうどん屋を横目に、おのぼりさんでした



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