うどん独楽吟
綾歌郡 2                  

たのしみは 近所の人に愛されて 繁盛店の道たどりゆく

はゆか 綾川町         


  
かって讃岐新道といわれ国道に比べ信号がなく、
長距離を走るドライバーが行き交ったロードサイドの店であるが
盆の1日、
昼前の店内は家族連れでほとんど席が埋まっている

入ってすぐの打ち場で切り終わった麺はすぐさま釜に入れられ
タイマーが15分でセットされる
続いて休む間も無く次の団子が展ばされていく

うどんは定番のかけ、釜卵、ぶっかけ、つめたい、あついと全て揃っており、
選択に迷う、
天ぷら、すし、おにぎりとサイドメニューも豊富である
さて冷たいぶっかけ大であるが
味は濃いめ、薄い目と選択可能で本日は薄めを指定する
びしっとした見た目もすがすがしい麺である、量も少し多めである
レモンを絞るといっそう爽やか感がただよう

じいさんから孫まで三世代の家族が座敷のテーブルでにぎやかに食べている
考えてみればうどんなら
年寄りから子供まで量は選べるし、
パワーを求める若者は天ぷらにエネルギーを求めればよい
なによりグループ全員が同じ物を食べるのでいただきますと一斉に言える
あるいは他所のテーブルを見てメニューと懐具合を探ることも無く
ファミリーレストランの原点である
外観は黒で決めているが、建物は屋根打ち放しでコストダウンに徹している
が、決して違和感を抱かせ無い いい雰囲気の店である

次々入ってくる客に茹でるのがついていけないのか
行列は伸びる一方である
厨房には10人ほどの人がざわざわと働いており
ある意味座席と、レジ打ちと、釜場とバランスしているのかも知れない

常に打ち立てのうどんが食べられ、安定した味を提供してくれる。
観光客に占拠され気楽に食べられなくなった地元民の為の店である


たのしみは 街道にある店らしく 軽四も来る トラックも停まる

味覚苑 綾上町山田下        

   

かっては讃岐新道といわれ、
琴平から高松方面へ丘陵地の端を通るアップダウンの大きいバイパスに面した
うどん店である

駐車場も大きければ店内も学校の食堂みたいに
テーブルがずらりと並んでいる。
麺の温め機も「てぼ」が5ケずらりと吊り下がっているとそれなりに壮観である。
隣に続くてんぷらコーナーも充実している。
なにしろ朝からカツがあるといって皿に載せる子がいるかと思えば
少し食べさせてくれという親のいる一家だから

四人の家族の最後で玉切れになり5分待てといわれる
「そばならあるけどナー」
いいえ、外で待たされるのは大嫌いだけど
茹で上がりを待つのは一向に気にしません


茹で上がりをかまかけでいただこうかと思いつつ
初めての店でうるさいこともなんだからと普通のかけをいただく
茹でたての麺は弾力のあるいい出来です
だしは少ししょっぱい目である
夏場に、力仕事をした後には午後からのがんばりを約束してくれる


たのしみは ぴっぴ食べさす箸の数 子供に三度 母一回

大廣 国分寺町新居

  

住宅地と田園地帯との境い目
どうして客商売らしく立地を選ばないのだろうか
とはいえ
ベビーカーを引いた家族連れが入ってくる
主は小さな児のために 少し柔らかめに作るよと言ったりしている。

たまたま何かの原因で停電になった
テレビが静まる、エアコンが止まる、照明は昼間だから大丈夫
だが
なにしろレジが打てない、計算は暗算でできてもお金が出ない
ホンの1〜2分の間だけどその困りようは

うどんの話しである
うどんは長い
勝手に注文つけるとすれば、
ざるうどんの麺は冷水をくぐらせピシーッと輝いているのがいい
つけ出しはほんのり甘めである。
このごろてんぷらの海老について
大きなえび天の店が少なく掻き揚げ天の店が多いと不満の子にとっては満足であり、
財布にとってはどうかなといいつつ店を出る。

この後
綾南町一帯激しい雷雨に見舞われ停電する
高校野球のテレビも冷蔵庫もただの箱になり、
親はビールを心配し、子は焼肉の肉を憂え
天空を切り裂く稲妻、大地を轟かす雷神の太鼓、天地をつなげる車軸のような雨
久しぶりの雷雨に思わず陶然とする。


たのしみは 山道を曲がればおっと こんなところにみっけたぞ

岡製麺所 綾上町山田上

  

綾川を遡る
集落が尽きようとするあたりで左折し
山道を登っていくと突然にという感じで目に入る。
下ってくると気づかないまま走り降りるかもしれない
駐車場は広くはない

店の半分は製麺所であり小麦粉の袋が山積みされている。
カウンターの中では大将と
若い人も含めて3人ほどの女性が世話を焼いてくれる。
大きな釜でゆでられたうどん玉を並べるせいろが奧に積まれている。

かけうどんをいただく。
醤油のかった濃い色で少し塩気が強い
もぐもぐと噛みしめる麺である。

土曜日の昼下がり
行列に閉口することもなく
されどお客が途切れず来る地元のうどん屋である。


たのしみは うどんかりんとう ドーナツに 小麦粉ねって 最後はうどん

長楽  綾歌郡宇多津町

   

浜街道なんて粋な名前がつく前の国道11号線は坂出の町を抜けこの峠を越えて宇多津へ下っていく。この店の前の道は11号線より以前の旧街道ではなかろうか

民家の庭先によしずをかけて天ぷらコーナーの奥に製麺所がある。
大きい天ぷら鍋が火を落として静まっている。
がけ沿いにテーブルが置かれ天ぷらが、ねぎが、だしが
いわゆるセルフの極め付きが揃っている。

1時を大きく廻っているので本日の喧騒も落ち着き最後の客と入れ違いに入る。
かけ、小、そのままを頼むと大将が奥のくらがりから丼に入れて持ってきてくれる

て、天ぷらである
油系を抑えているため横目で通り過そうとする足が一瞬止まる
お好み焼きの天ぷらみたいに見えるものは、どうやらいりこのようだ
「ぱりぱりおいしいで」と背中を押されて、丼に入れてしまう
ガスコンロにかけられた鍋からだしを注ぐ

テーブルに陣取り、よしず越しの日の光をうけつつ

くだんの天ぷらにかじりつく
少しぐらいだしに浸かってもパリパリしている
齧る、噛む、咀嚼する、まだ口中で揚げられた粉のうまみがする
時々いりこの濃い味が混じる

うどんにたどり着くまでしばらくかかる
くたびれた口にするするおさまる
テーブルにゆず酢らしきものが入ったポットがあり、かけて食べるとサッパリとおいしい

おばさんが座敷のコタツのところで遅いお昼を、当然、うどんを食べている
屋根代わりのよしずといい
雰囲気のある製麺所のたたずまいを感じさせる


たのしみは近所の人の指定店 いつも変わらぬ味こそ命

たちばな屋 国分寺町柏原     

 

日曜日の11時前
早い昼飯、遅めのブランチにと玉買いの人が次々やってくる
ついでに一玉たべて帰る
注文を聞くともなく聞いてると10月の末とはいえまだまだざるが根強い

柔らかくやさしい麺はおばさん二人がコンビネーションよろしくあつらえてくれる
かけ小に数ある天ぷらの中から昆布の天ぷらを指名する。
結ばれた昆布の天ぷらはかみ締めれば甘味があり
うどんの味をひとしおうまくする


たのしみは しっぽくうどんの張り紙に 秋深し時 来たと知る

福乃家 国分寺町福家   

 

たしか どじょううどん、打ち込みうどんが有名の店
但し
こちらの店舗ではお好み焼き、ふつうのうどん店
駐車場に車はかなり停まっているがお客が見えない
店の人が入ってきた人に打ち込みうどんなら隣の店舗へと案内している
どうりで

しっぽくうどん始めましたとの張り紙に誘われるまま注文
しばらくかかりそうな雰囲気に
おでん鍋をのぞいて大きい大根を一個
たっぷりの味噌だれをかけてほがほがといただくうちに
大根、人参、里芋、あげがうどんに色どりを添えてしっぽくが届く

少し黄色がかった麺はやや細めであるがしっかりしたこしの強さ
打ち込みにつかう麺と同かどうかは
次回にチャレンジ


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